AI用語集

AI開発・データ・インフラの用語(22語)

AIを実際に動かし、業務に組み込むための「裏側のしくみ」——つなぎ方・データの整え方・動かす土台——をまとめた分類です。

収録 22語最終更新 2026-09-08

この分類の言葉が、実務のどこで出てくるか

受託開発の見積書と設計書に出てくる言葉です。ここが読めないと、金額の内訳が妥当かどうかを自分で判断できません。最適AIの研修ではスタンダードコースの「Claude Code環境構築」「独自ツール開発・実装演習」、およびバイブコーディング基礎講座(GitHub・Vercelを実際に使う)でこの範囲に踏み込みます。

収録している用語(22語)

APIエーピーアイApplication Programming Interface

ざっくりソフト同士が「決まった言葉」でやりとりするための窓口です。

API(正式名称:アプリケーション・プログラミング・インターフェース)は、あるサービスの機能を別のソフトから呼び出すための「注文窓口」です。レストランでお客さんが厨房に直接入らずウェイターに注文を頼むのと同じで、中身のしくみを知らなくても「これをお願い」と頼めば結果が返ってきます。自社のシステムにChatGPTやAIの機能を組み込むときも、このAPI経由でつなぎます。

使いどころ自社の見積システムに「文章を要約するAI」をAPIでつなげば、長い問い合わせメールを自動で短くまとめられます。

APIキーエーピーアイキーAPI Key

ざっくりAIサービスを使うときの「会員証兼パスワード」です。

APIキーは、AIサービスに「これは正規の契約者からの依頼です」と証明するための、長い文字列の合鍵のようなものです。マンションのオートロックの暗証番号と同じで、これがないとサービスは反応してくれず、また他人に知られると勝手に使われて料金を請求されてしまいます。だからメールやチャットに貼り付けたり、画面に映したりしてはいけません。

使いどころ社内ツールにAIを組み込む際、APIキーは設定ファイルや金庫役のしくみに隠して管理し、担当者以外が見られないようにします。

トークン課金(従量課金)トークンかきんToken-based / Usage-based Billing

ざっくりAIに渡した・返ってきた文章量に応じて料金が決まるしくみです。

多くのAIサービスは、定額ではなく「使った分だけ払う」従量課金です。文章はAI内部で「トークン」という小さなかたまりに分けられ、入力(渡した文章)と出力(返ってきた文章)のトークン数の合計で料金が計算されます。電気やガスのメーター料金、あるいはタクシーの距離メーターと同じイメージで、使えば使うほど積み上がります。長い資料を何度も読ませると、意外と金額がふくらむので注意が必要です。

使いどころ問い合わせ対応をAIに任せる前に「1件あたり何円かかるか」を試算しておくと、月のコストが読めて社内稟議も通しやすくなります。

エンドポイントエンドポイントEndpoint

ざっくり「ここに送れば応答が返ってくる」という宛先(住所)です。

エンドポイントは、APIを呼ぶときの送り先の住所にあたるものです。郵便で荷物を届けるには正しい住所が要るのと同じで、AIに「要約して」と頼むなら「要約用のエンドポイント」へ、「画像を作って」なら「画像生成用のエンドポイント」へ送ります。やりたいことごとに宛先が分かれていると考えると分かりやすいです。

使いどころシステム連携でつながらないトラブルの多くは「宛先(エンドポイント)の打ち間違い」が原因で、ここを確認すると早く解決します。

SDKエスディーケーSoftware Development Kit

ざっくり開発をラクにするための「道具一式の詰め合わせ」です。

SDK(正式名称:ソフトウェア・デベロップメント・キット)は、あるサービスを組み込むのに必要な部品やサンプルをまとめた工具箱です。家具を一から木を切って作るのではなく、ネジ・板・組み立て説明書がそろった組み立てキットを使うようなもので、開発者はゼロから書かずに早く正確に機能を組み込めます。APIを「素手で」叩く代わりに、SDKを使うと手間とミスが減ります。

使いどころ自社アプリにAIチャットを足すとき、提供元のSDKを使えば数行のコードで動き、開発外注費の見積もりも下がりやすくなります。

レイテンシ(応答速度)レイテンシLatency

ざっくり頼んでから答えが返ってくるまでの「待ち時間」です。

レイテンシは、AIに質問してから返事が来るまでの反応の速さを指します。お店で注文してから料理が出てくるまでの時間と同じで、短いほど快適、長いほど「遅いな」とストレスになります。AIは賢いモデルほど考える時間が長くなりがちで、正確さと速さはしばしばトレードオフ(あちらを立てればこちらが立たず)の関係になります。

使いどころ店頭やコールセンターでお客さまを待たせる場面では、多少賢さを落としても応答が速いAIを選ぶ、といった判断材料になります。

GPUジーピーユーGraphics Processing Unit

ざっくりAIの計算を高速でこなす「専門の頭脳チップ」です。

GPU(正式名称:グラフィックス・プロセッシング・ユニット)は、もともと画像処理用に作られた部品ですが、同じような計算を一斉に大量にこなすのが得意なため、AIの学習や応答に欠かせない存在になりました。一人で順番に作業する事務職員(通常のCPU)に対し、GPUは大人数で一斉に手分けする工場のラインのようなものです。AIが高性能化するほどGPUの需要が高まり、2026年現在も高価で取り合いになりやすい資源です。

使いどころ自社内でAIを動かすか、クラウドを借りるかを決める際、「高価なGPUを自前で持つ必要があるか」がコスト判断の分かれ目になります。

クラウドAIとオンプレミスAIクラウドエーアイとオンプレミスエーアイCloud AI / On-premise AI

ざっくりAIを「借りて使う」か「自社に置いて使う」かの違いです。

クラウドAIは、ネット越しに他社の高性能サーバーを借りてAIを使う方式で、レンタカーのように初期費用が少なく手軽に始められます。一方オンプレミス(自社設置)AIは、自社の建物・サーバーにAIを持ち込んで動かす方式で、マイカーのように購入費はかかるものの、データを外に出さずに済み、自由にカスタマイズできます。機密データを社外に出したくない場合はオンプレミスが、すぐ使いたい場合はクラウドが向きます。

使いどころ顧客の個人情報や契約情報を扱うAI機能では「クラウドに送ってよいデータか」を線引きし、難しいものはオンプレミスや社内設置を検討します。

エッジAIエッジエーアイEdge AI

ざっくりクラウドに送らず、手元の機器の中で動くAIです。

エッジAIは、スマホ・カメラ・センサーなど現場の機器そのものの中でAIの処理を行うやり方です。本社に逐一お伺いを立てる店員ではなく、その場で判断できる現場スタッフのようなもので、ネットにつながっていなくても動き、応答も速いのが強みです。データを外に送らないのでプライバシー面でも有利ですが、機器の計算力が限られるため、載せられるAIの規模には制約があります。

使いどころ店舗の防犯カメラで「人の数を数える」程度の処理なら、映像を外に送らずカメラ内のエッジAIで完結でき、通信費とプライバシー懸念を減らせます。

ローカルLLMローカルエルエルエムLocal LLM

ざっくり自社のパソコンやサーバーの中で動かす対話AIです。

ローカルLLM(LLMの正式名称:ラージ・ランゲージ・モデル=大規模言語モデル)は、ChatGPTのような文章を扱うAIを、外部に頼らず自分の手元の機械で動かす形を指します。出前を頼む代わりに自宅のキッチンで料理するようなもので、データが社外に出ない安心感と、使い放題(追加のトークン課金がない)という利点があります。ただし高性能なGPUなどの設備が必要で、最高峰のクラウドAIに比べると賢さは一歩譲ることが多いです。

使いどころ外部に出せない顧客名簿や契約書を要約させたい場合、ローカルLLMなら情報を社内に留めたままAIの下書き作成に使えます。

データ前処理データぜんしょりData Preprocessing

ざっくりAIに渡す前に、データを使える形に整える下ごしらえです。

データ前処理は、集めたままのバラバラなデータを、AIが読み取りやすいようにそろえて整える作業です。料理の前に野菜を洗って皮をむき、食べやすく切る下ごしらえと同じで、ここを丁寧にやるかどうかでAIの結果の質が大きく変わります。表記がバラバラだったり、空欄だらけのデータをそのまま渡すと、AIも正しく学べません。

使いどころ「株式会社」と「(株)」が混在した取引先名簿を統一してからAIに分析させると、集計の取りこぼしが減り、結果の信頼度が上がります。

アノテーション(ラベリング)アノテーションAnnotation / Labeling

ざっくりデータに「これは○○です」という正解の付せんを貼る作業です。

アノテーション(日本語ではラベリング、つまり「ラベル付け」)は、AIに学ばせるデータに人間が正解の目印を付けていく作業です。たとえば大量の写真に「これは犬」「これは猫」と一枚ずつ付せんを貼るようなもので、子どもにフラッシュカードで物の名前を教える光景に似ています。この正解付けが正確であるほど、AIは賢く育ちます。地道で人手のかかる工程ですが、AIの質を左右する土台です。

使いどころ問い合わせメールを「クレーム」「見積依頼」「その他」に自動仕分けするAIを作るには、まず過去メールに人がこの分類ラベルを付ける必要があります。

データクレンジングデータクレンジングData Cleansing

ざっくりデータの間違い・重複・空欄を見つけて直す「お掃除」です。

データクレンジングは、汚れたデータをきれいにする掃除と整頓の作業です。同じお客さまが二重に登録されていたり、電話番号が抜けていたり、表記がゆれていたりするのを直します。机の上の書類を整理して、いらない紙を捨て、ダブりをまとめるイメージです。汚れたデータのまま分析すると「ゴミを入れればゴミが出る」状態になり、AIでも人でも正しい判断ができません。

使いどころ顧客リストの重複を消し、住所表記を統一してからDMやキャンペーンを打てば、二重送付のムダと「届かない」ミスを防げます。

構造化データと非構造化データこうぞうかデータとひこうぞうかデータStructured / Unstructured Data

ざっくり表にきれいに並ぶデータと、そうでないデータの違いです。

構造化データは、エクセルの表のように行と列にきちんと収まったデータで、金額・日付・件数など集計しやすいものです。一方の非構造化データは、メール本文・写真・音声・PDFなど形が決まっていないデータで、そのままでは集計できません。引き出しに仕切りがあって整然と入っている文房具(構造化)と、段ボールにまとめて放り込まれた雑多な資料(非構造化)の違いに近いです。世の中のデータは大半が後者で、ここをAIで扱えるようにするのが近年の大きなテーマです。

使いどころバラバラの問い合わせメール(非構造化)をAIに読ませ、「日付・要件・温度感」を表(構造化)に整理させれば、そのまま集計・分析にかけられます。

MLOpsエムエルオプスMachine Learning Operations

ざっくりAIを作って終わりにせず、運用し続けるための仕組みづくりです。

MLOps(正式名称:マシン・ラーニング・オペレーションズ)は、AI(機械学習モデル)を作る・動かす・直し続ける一連の流れを、滞りなく回すための運用の考え方です。車は買って終わりではなく、定期点検・オイル交換・部品交換をして初めて長く安全に走れるのと同じで、AIも作った後の手入れが欠かせません。放っておくと精度が落ちていくため、見張り役と整備の仕組みをあらかじめ用意しておくわけです。

使いどころ需要予測AIを継続運用する場面で、精度が落ちたら自動で気づき、新しいデータで作り直す——この一連の運用設計がMLOpsにあたります。

モデルのデプロイモデルのデプロイModel Deployment

ざっくり作ったAIを、実際に現場で使える状態にして出すことです。

デプロイとは、出来上がったAIを本番の現場へ送り出して稼働させることを言います。試作品の段階から一歩進み、お店をいよいよ開店してお客さまを迎え入れる「グランドオープン」に近いイメージです。社内テストでうまく動いたAIも、実際にユーザーが使える形でつながって初めて役に立ちます。開店後にトラブルが出ることもあるので、慎重に段階を踏んで出すのが定石です。

使いどころ試作した「メール下書きAI」を実際の社内メールツールから呼べるようにする——この公開作業がデプロイで、ここで初めて全社員が使えるようになります。

モデルのバージョン管理モデルのバージョンかんりModel Versioning

ざっくりAIの「どの版を使っているか」を記録し、いつでも戻せるようにすることです。

モデルのバージョン管理は、AIを更新するたびに第○版と名前を付けて記録し、過去の版もとっておく考え方です。資料を「企画書_最新」「企画書_v2」と保存し、間違えたら前の版に戻すのと同じで、新しいAIに入れ替えたら逆に調子が悪くなった、という時に元へ戻せる安心が得られます。「今どの版が動いているか」が分かることは、トラブル対応や監査の場面でも重要です。

使いどころAIを新版に更新したら回答品質が下がった場合、バージョン管理ができていれば即座に旧版へ戻して業務を止めずに済みます。

function calling(関数呼び出し・ツール使用)ファンクションコーリングFunction Calling / Tool Use

ざっくりAIが自分で外部の道具を呼び出して仕事をこなすしくみです。

function calling(日本語で「関数呼び出し」、別名ツール使用)は、AIが文章を作るだけでなく、必要に応じて外部の道具や機能を自分で呼び出して使えるようにするしくみです。料理人が自分の手だけでなく、必要な調理器具を取りに行って使うようなもので、たとえば「今日の天気は?」と聞かれたAIが天気サービスを呼び出し、その結果を答えに織り込めます。これにより、AIは社内データの検索やカレンダー登録など、実際の作業まで踏み込めるようになります。

使いどころ「来週の田中さんとの打合せを登録して」と頼むと、AIがカレンダー機能を関数呼び出しで使い、予定を実際に書き込む——といった自動化が実現します。

MCP(モデルコンテキストプロトコル)エムシーピーModel Context Protocol

ざっくりAIと社内のツールやデータを安全につなぐ「共通の差込口」です。

MCP(正式名称:モデル・コンテキスト・プロトコル)は、AIにさまざまな外部ツールやデータをつなぐときの共通の規格です。機器ごとに専用ケーブルを用意する代わりに、どれでも挿せるUSBの差込口を用意するようなもので、つなぎ方を一本化することで連携がぐっと楽になります。2026年現在、AIに自社のカレンダー・ファイル・業務システムをつなぐ際の標準的なやり方として広まりつつあります。

使いどころAIに「社内の見積データ」「予定表」「メール」を順次つなげたいとき、MCP対応でそろえておくと、後から道具を足すのも差し替えるのも簡単になります。

ノーコード・ローコードノーコード・ローコードNo-code / Low-code

ざっくりプログラムをほとんど書かずにアプリや自動化を作れる手法です。

ノーコードはコードを一切書かず、画面上で部品をマウスで並べるだけでアプリや自動化を作る方式、ローコードは少しだけコードを足して仕上げる方式です。プラモデルを部品の組み合わせで完成させるようなもので、専門のエンジニアでなくても現場担当者が自分の業務に合った道具を作れます。スピードと手軽さが魅力ですが、複雑なことや細かい作り込みには限界もあります。

使いどころ「問い合わせフォームの内容を自動でAI要約し、担当者にチャット通知する」といった社内自動化を、ノーコードツールで現場が自作できます。

データドリフトデータドリフトData Drift

ざっくり時間がたつにつれ現実とAIのズレが広がっていく現象です。

データドリフトとは、AIが学んだ当時の状況と今の現実がだんだんズレていくことです。古い地図のまま走ると、新しい道路や撤去された建物に対応できず迷うのと同じで、世の中や顧客の傾向が変わると、過去のデータで作ったAIの判断は少しずつ的外れになっていきます。AIの精度が「いつの間にか落ちている」原因の多くがこれで、定期的な見直しが欠かせません。

使いどころ需要予測AIが急に当たらなくなったら、市況や顧客行動の変化によるデータドリフトを疑い、新しいデータで作り直す合図と捉えます。

モデルカードモデルカードModel Card

ざっくりAIの「仕様書・取扱説明書」にあたる説明シートです。

モデルカードは、そのAIが何を得意とし、何が苦手で、どんなデータで作られたかをまとめた説明書きです。家電に付いてくる取扱説明書や食品の成分表示に似ていて、「どんな用途を想定しているか」「使ってはいけない場面はどこか」などが書かれています。AIを業務に取り入れる側にとっては、安全に正しく使うため、また説明責任を果たすために目を通しておきたい資料です。

使いどころ外部のAIを導入する前にモデルカードを確認し、「個人情報の判定には使わないでください」などの注意書きがないかをチェックして、社内の利用ルール作りに役立てます。

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言葉が分かったら、次は自社の業務に当てはめる番です

最適AIは、法人向けのAI研修・AI受託開発・AI顧問を提供しています。大阪本社に加えて岡山・広島・高松に拠点があり、中四国は対面でも伺えます。初回相談は無料です。

この用語集は、最適AIが法人向けAI研修「最適スクール」の受講者向けに作成した教材をもとに公開しています。2026年時点の一般的な用法をビジネス初学者向けにまとめたもので、特定の製品・サービスの推奨を目的とするものではありません。用語の意味や範囲は今後変わることがあります。