自社実践の記録
ステータスが1列に
16種類、混ざっていました。
工事の進捗と、引き渡し後のアフターサポート。この2つが別々の場所に散っていて、全体像が誰にも見えていませんでした。 1つのダッシュボードに統合し、混ざっていたステータスを「進行状況」と「原因」の2軸に分離した実例を公開します。
この事例の要点
① 1つの列に16種類のステータスが混在していた。「対応中」と「写真不足」が同じ列に並び、絞り込みができない状態だった。
② 進行状況(1つだけ選ぶ)と、原因(複数付けられる)に分けた。これだけで「今どこで詰まっているか」が見えるようになった。
③ 既存の業務アプリを置き換えず、接続した。現場の入力先は変えていない。
何が困っていたのか
工事の進捗は工程管理のアプリに、引き渡し後の不具合対応は別のアプリに入っていました。 どちらも動いてはいます。ただ、「この現場は今どうなっているのか」を知るには、2つを開いて突き合わせる必要がありました。
さらに厄介だったのが、アフターサポート側のステータスです。 1つのドロップダウンに、16種類の値が混ざっていました。たとえばこういう並びです。
| 1列に混在していた値(一部) | 本来の性質 |
|---|---|
| 対応完了 / 対応中 / 解析待ち | 案件がどこまで進んだか=進行状況 |
| 写真不足 / 施工不備 / 保険対応 / 請求待ち | なぜ止まっているか=原因 |
| メーカー対応中 / 整定値変更 | 誰の手番か・何をしたか=状況の補足 |
性質の違うものが1列に入っているため、「対応中で、かつ写真が足りない案件」を絞り込めません。 どちらか一方しか選べないからです。結果として、担当者が頭の中と個別のメモで管理していました。
どう整理したか — 2軸に分ける
ステータスを、性質ごとに2つの軸へ分けました。
- 軸①:進行状況(1案件に1つだけ)
未対応 → 訪問日確定 → 対応中 → 解析待ち → 完了 - 軸②:原因タグ(複数付けられる)
施工不備/請求待ち/写真不足/保険対応/整定値変更
分けただけです。新しい概念は足していません。それでも 「対応中だが写真不足で止まっている案件」が一覧で出せるようになりました。 メーカーの回答待ちについては、待ち日数を自動で数えるようにしています。放置に気づけるようにするためです。
ここが、この事例でいちばんお伝えしたい点です。
効いたのは新しい技術ではなく、「1列に混ぜていたものを分ける」という整理でした。現場が困っている原因は、多くの場合こういう場所にあります。
画面の構成
工務部門が日常的に使う範囲を、1つのダッシュボードにまとめました。
- ダッシュボード— 未対応件数、遅延、メーカー待ちなどを最初の1画面で把握
- 工程表— ガントチャート。開くと本日の位置まで自動でスクロールする
- 問い合わせ管理— 上の2軸で管理するカンバン。この事例の中核
- スケジュール/写真・図面/日報/協力会社ポータル/請求原価
既存システムは置き換えなかった
工程管理も、メンテナンス管理も、すでに現場が毎日入力しているアプリがあります。 これを新しいものに置き換えると、現場の手順が全部変わります。そこで置き換えではなく、接続する形にしました。 入力先はこれまでどおり。見るところだけを新しくした、という作りです。
接続してみて分かったこともあります。たとえば工程の進捗を表す項目が、実は既存アプリに存在していませんでした。 代わりに現地調査日・着工日・連系日・完工日といった日付から進捗を導出しています。 「あるはずのデータがない」は、実際に繋いでみるまで分かりません。
この事例から言えること
- 現場の詰まりは、多くの場合技術ではなく分類の設計にあります。1列に混ぜているものを分けるだけで見え方が変わります。
- 既存システムは置き換えるより繋ぐほうが、現場の負担が小さいケースがあります。
- 実データに繋ぐまで、「あるはずの項目がない」は分かりません。設計は繋いでから確定させるほうが安全です。
- 複数のシステムをまたぐときは、「同じものを同じと判定する鍵」を先に1つ決めるほうが早く進みます。その具体例は最適PRMの事例で書いています。
本ページは最適でんき株式会社が自社の工務業務のために構築・運用しているシステムの実例です。 連携している業務アプリの製品名、取り扱い件数などの内部の数値、顧客情報は記載していません。
「現場が見えない」の原因を、一緒に探します。
置き換えるべきか、繋ぐべきか。まずは現状の業務とデータの置き場所をお聞かせください。研修・開発・顧問はそれぞれ単独でご契約いただけます。このページのように、現場に入り込んで実装まで担う関わり方はFDE(現場伴走・実装支援)としてご提供しています。大阪・関西と岡山・広島など中四国は対面訪問、全国はオンライン対応。初回相談は無料です。