グループウェアを置き換えるとき、
新しい画面を増やさない。
社内のグループウェアを入れ替える、あるいは自分たちで作り直す。このとき機能表を先に作ると、たいてい失敗します。社内システムが使われなくなる原因は機能不足ではなく、開く手間が1つ増えることだからです。社員ポータルまわりを自社で作り直したときの線引きを書きます。
先に結論:使われる社内システムの条件
① 新しいIDとパスワードを増やさない。ログインが増えた時点で開かれなくなります。
② 通知と承認は、すでに全員が開いている場所に置く。専用画面を作らない。
③ 管理側と社員側を最初から分ける。あとから分けるのは大工事になります。
ログインを増やさない
社内システムが使われない理由の多くは、機能ではなくログインです。IDとパスワードをもう1つ覚えてもらう時点で、開く回数は目に見えて減ります。
私たちは既存のシングルサインオンに寄せて、新しいIDを発行しない形にしました。普段のアカウントでそのまま入れる。 これだけで「開くかどうか」の判断が要らなくなります。
あわせて、一定時間操作がなければ自動でログアウトするようにしています。社内システムだからと緩めていません。 自動ログアウトが起きたことも記録に残しています。誰がいつ入って何をしたかが残っていないと、後から確認のしようがないためです。
通知と承認は、専用画面を作らない
承認機能を作るとき、承認一覧の画面を新設したくなります。私たちは作りませんでした。 通知も承認も、社員が普段使っているビジネスチャットの上で完結するようにしています。届いたメッセージのボタンを押せば終わりです。
承認の種類が増えても同じ考え方で通しました。通常の申請、押印を伴うもの、パスワードの発行申請。 いずれも新しい画面を増やさず、同じ場所に流しています。1日に1回開くかどうかの画面に承認を置くと、承認待ちが滞留します。
安否確認は「送って終わり」にしない
安否確認は、送信そのものより返ってこなかった人にどう追いかけるかが本体です。 自動で送る仕組みに加えて、未回答者へのリマインドと、必要なときに手で送れる経路を用意しました。 訓練も本番も同じ導線で回せる形にしています。
パスワードを渡す場面をどう設計したか
社内システムを作ると、どこかで「担当者が発行したパスワードを本人に渡す」場面が出てきます。ここはチャットに直接書きたくなるところですが、 それをすると履歴に残り続けます。
私たちは保管する時点で暗号化し、本人だけが一度だけ見られて、見た時点で保管しているものを消す形にしました。 画面の表示を消すだけでは元のデータが残ってしまうので、消すのは保管側です。
社内システムほど「身内だから」で権限が曖昧になります。誰が何を見られて、何を消せるのか。権限まわりは機能を作り終えたあとで足すと漏れます。同じ論点を社外のパートナーが使う画面で扱った例は「「重複しています」と伝えるだけで、営業先が漏れます」にまとめています。
管理側と社員側は、最初から分ける
総務が見る画面と、一般社員が見る画面は必要なものが違います。同じ画面に権限で出し分けを足していくと、条件分岐が増えて手に負えなくなります。 管理画面と社員ポータルの2つのモードとして、最初から分けました。グループ複数法人に対応する必要もあったため、 法人ごとに情報を分けつつ、管理側では横断して見られるようにしています。
置き換えを検討するときのチェック項目
| 確認すること | 望ましい状態 |
|---|---|
| ログイン | 既存のシングルサインオンに寄せ、新しいIDを発行しない |
| 通知・承認の場所 | すでに全員が毎日開いているツールの上で完結する |
| 画面の分離 | 管理側と社員側を最初から別モードにする |
| セッション | 無操作で自動ログアウトし、その事実も記録に残す |
| 秘密情報の受け渡し | 暗号化して保管し、本人が一度見たら保管側から消す |
これらは管理部(総務)が主体で構築した社内基幹で実際に運用している形です。 作るところは業務を知っている人がいれば進みます。難しいのは、止まったときに誰が直すのかを先に決めておくことでした。
よくあるご質問
既存のグループウェアを解約する前提で考えるべきですか?
解約ありきで考える必要はありません。実際に困っているのは全体ではなく一部の機能であることが多く、その部分だけを自社の業務に合わせて持つほうが早い場合があります。まず「どの機能で詰まっているか」を切り分けてください。
承認をチャット上で完結させると、記録は残りますか?
承認そのものはシステム側に記録されます。チャットは通知と操作の入口で、記録の置き場ではありません。誰がいつ承認したかは検索できる形で残す必要があるため、そこは分けて設計しています。
社内システムでも自動ログアウトは必要ですか?
必要です。社内システムほど日常業務に食い込んでおり、開いたままの画面が放置される時間も長くなります。当社の社内基幹では一定時間操作がなければ自動でログアウトし、その事実も記録に残しています。
「これ、自分たちで作れるのか?」の判断から
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本ページは最適でんき株式会社およびグループ各社が自社業務のために構築・運用している社内システムの実例をもとにしています。グループ各社の法人名、社内の規模を示す具体的な数値、担当者名、連携している外部サービスの製品名、システムの識別子やセキュリティ項目の個別名称は記載していません。
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